ケアミックス病院で働く看護師のメリット
ケアミックス病院とは?
ケアミックス病院とは、診療、治療(手術)、療養など、あらゆる医療サービスを提供している病院のことです。「急性期病棟」「回復期病棟」「療養病棟」「看取り病棟」などの複数の機能を持ち、患者さんの状態に合わせて医療サービス(治療、看護からリハビリ)を提供します。
「急性期病棟+療養型病棟」、「急性期病棟+回復期・リハビリテーション病棟」を併設する病院が一般的です。
一般病棟とケアミックスの違い
一般病棟とケアミックス病院の大きな違いは、医療や看護の受け入れ体制です。
ひとつの例として、一般病棟の場合、脳の障害や骨折により急性期病院で治療を受けていた患者さんは、リハビリができる状態にまで回復すると、以後は別の医療機関でリハビリテーションを行うよう指示をされることがあり、病院を移らなければいけません。
ところが、「急性期病棟」と「回復期病棟」を持つケアミックス病院であれば、急性期の治療後に回復期病棟に移動するだけで、リハビリテーションを続けることができます。同じ病院内であれば、これまでの経過や現在の状態をよく知る医師や看護師もいるため、患者さんも相談しやすく、安心してリハビリを続けられます。
看護師がケアミックス病院で感じられるやりがい
これまで何らかの経験がある看護師さんは、経験や知識をそのまま活かせる場所があり、即戦力として活躍できます。その上で、今まで経験したことのない複数の段階(急性期・回復期・療養など)にも対応出来るスキルが身につきます。自分が活躍する場所があり、頼られながらも、自然と新しい経験を積める病院で働ける事は、自身の経験値を高め、技術が向上してキャリアアップに貢献する他、大変やりがいを感じられます。
部分的な経験だったものが、急性期から慢性期、治療からリハビリまでの患者さんの、一連の流れでケアすることができ、さまざまな視点でサポートすることができます。
将来介護施設でも活躍できるスキルも身につきます
療養型病棟を持つケアミックス病院で仕事をする看護師さんは、老人福祉施設、高齢者福祉施設、療養型病院、訪問看護での仕事をする際に役立つ技術も身につきます。
訪問看護師になって介護施設で働くなど、経験が少なかった看護師さんにとっても将来の選択肢が広がり、療養型病棟を持つケアミックス病院での経験が活かされます。
ケアミックス病院が看護師に求めること
日本が高齢化社会となり、療養病棟を中心に展開している病院の他、一般病棟に加えて急性期〜慢性期まで対応できる病院が増えています。
病院の構造として、さまざまな状態の患者さんがいる複数の病棟で、複数の種類のケアを必要とされ、患者さんそれぞれの状態を把握しながら適切な看護を提供することになります。
求められる心のスキル
ケアミックスという病院の性格上、複数の病棟を渡り歩き、ひとりひとりの患者さんに丁寧に対応する能力、医師や薬剤師とのコミュニケーション力を必要とされます。疑問に思うことを確認することや、思い込みを捨てて、新しい現場の環境に合わせる謙虚さがなければ、これまでよりも多くの情報を処理していくことはできません。
求められる技能のスキル
例えば、回復期病棟では患者さんの状態に合わせてリハビリの計画書を作成することがあります。計画書は医師と看護師だけで作るものではなく、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカー、管理栄養士などの各専門スタッフと調整することもあります。看護師としての意見を伝えるためには、ある程度の知識が必要となることもあります。
リハビリにおいての看護師さんの大きな役割は、患者さんがリハビリを続けられ、安心して自宅に戻れるように心理的なサポートを求められます。
患者さんひとりひとりの心(気持ち)の状態を確かめながら各担当者と連携を取り、他の専門スタッフとの連携や調整をしなければなりません。
こういった心配りや連携は、どの病棟でも必要となりますが、病棟を超えた連携をすることもある心構えが必要です。
基本的には、特定の病棟だけで働きたい!という希望は叶わない
これまでの経験が少なくても、ケアミックス病院ではあらゆる病棟で患者さんのケアをする必要があります。特定の病棟や配属先、仕事内容を指定して勤務することは基本的には難しく、どこに配属されても対応する看護師さんが求められる現場です。
特定の病棟にだけ勤務したい、経験のある病棟から勤務したいという希望がある看護師さんには、ケアミックス病院での勤務や働き方に慣れるまでは、体力と精神力が必要となるかもしれません。